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今回はNPO法人エンチャイルドの代表である外舘孝則さんにお話を伺いました。

外舘さんは、「家族愛による教育支援」をテーマに掲げ、フィリピンの貧困児童のための奨学金支援や給食支援、スタディーツアーの実施を中心に活動していらっしゃいます。今回はフィリピンでの活動の様子から若者への熱いメッセージまでたくさんお話していただきました。

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NPO法人エンチャイルドの外舘孝則代表

ミレニアム開発目標の普遍的初等教育達成を軸に活動をスタート

フィリピンの子どもたちを対象にボランティアをしようと思われたきっかけは何ですか?

エンチャイルドがNPO法人として設立されたのは2011年ですが、エンチャイルドが行っている海外教育支援プロジェクトそのものは、任意団体の活動として2001年から中国で行ってきたものです。フィリピンでの活動を始めたのは2004年からです。

フィリピン人女性と国際結婚した友人がいたのですが、その友人の奥さんが彼女の故郷であるフィリピン・ミンダナオ島で子どもたちのために奨学金支援をしていたのです。それを知って、私も個人として二年ほど彼女たちの活動を支援していました。

フィリピンでの本格的な教育支援活動に乗り出したのは、ちょうど私たちが中国ですでに教育支援活動をしていたこともあって、同様の支援をフィリピン・ミンダナオ島でも取り組んでみようと考えたことがきっかけでした。中国では10年間活動しましたが、現地の経済発展により支援の必要がなくなり、2010年でミッションを完了しました。現在は主にフィリピンを対象に活動しています。

プロジェクトを始めた2001年当時は、前年に国連ミレニアム宣言がなされ、より国際的に協力し合っていこうという風潮が地球規模で感じられました。そのような時代の影響もあって、国際貢献したい、国際協力に携わりたいという思いを持つようになりました。

国連で掲げられたミレニアム開発目標MDGsの中に普遍的初等教育の達成というものがあり、私たちはそこに焦点を当てて活動をスタートしました。

エンチャイルドの給食支援で配給された給食を食べるマガリャネス町サント・ニーニョ小学校の子供たち

エンチャイルドの給食支援で配給された給食を食べる小学校の子供たち

オバマ大統領が「人類はみな一つの家族だ」とスピーチしていた

なぜ「家族愛」に焦点を当てていらっしゃるのですか?

まず、物事が始まるときには、そこには必ず動機がありますよね。動機というのは言い換えれば「欲求」です。私たちエンチャイルドは人間が本性として持っている「家族愛」という欲求に目を向けました。

お金があるから助けるんじゃない、ビジネスになるから助けるんじゃない、「家族だから助けたい!」、この「家族愛」が私たちの合言葉になっています。この支援の動機にサポーターやスタディーツアーの参加者のみなさんも共感してくれています。

最近、広島でオバマ大統領は「人類はみな一つの家族だ」とスピーチしましたが、これこそ今の時代が求めている価値観であり、みんなで語り継いでいかなければならないストーリーであると感じます。

互いのために助け合って生きていく関係性を創りたい

「共生」「共助」「共感」をキーワードにしているとのことですが、「共存」ではなく「共生」を強調するのはなぜでしょうか?

「共存」というのは二つの生き物が敵対せずにいることです。つまり「一緒にいても大丈夫な状態」のことを指します。一方「共生」というのは生きることを共にすることであり、互いのために助け合って生きることです。こちらは「一緒にいないと困る状態」のことです。家族は「共生」関係であり、共助、共感が不可欠です。

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インターンの学生に向けて熱く語られる外舘代表

スタディーツアーにはどのような方が参加されるのですか?なにか素敵なエピソードがあれば教えてください。

私たちのスタディーツアーには主に大学生や社会人など若い方々が参加されています。4月5月がフィリピンでは夏休みなので、その間にスタディーツアーを企画しています。スタディーツアーは前半にミンダナオ島の田舎で生活する奨学生たちを訪ね、後半ではマニラ地域の都市部に住む奨学生たちを訪問します。

スタディーツアーでは受益者(奨学生やその家族、関係者)との交流や支援先の学校訪問、現地の視察を中心に行います。交流プログラムとしての支援式典では、他者のために生きるという価値観を子どもたちと共有するように努め、共に助け合う社会を実現することを共通の目標として持てるよう意識して行っています。

視察団を学校の入り口で歓迎するマガリャネス町サント・ニーニョ小学校の子供たち

視察団を学校の入り口で歓迎するマガリャネス町サント・ニーニョ小学校の子供たち

プログラムの中でとても成果を感じるのが、支援者と受益者(奨学生)がお互いの国のために家族のような関係で助け合おうということを目的に行う「家族の関係を結ぶセレモニー」です。なんとなく仲良しの友達を作るのではなく、家族、兄弟姉妹の関係になろうとすることで、家族愛の欲求、国境を超えた家族として生きたいという欲求が刺激されるのです。

今後はどのように活動を展開していく予定でしょうか?

今後はインドネシアでも活動を展開したいと考えています。きっかけは日本在住のインドネシア人と知り合ったことです。その人たちと一緒に、フィリピンで実践してきた活動と同じやり方で教育支援の取り組みをしてみようと考えています。

国内での主な取り組みはサポーター(支援者)の拡大です。もっともっと家族愛から始まる教育支援に共感する人々の輪を広げていきたいです。クラウドファンディングも積極的に活用して支援活動のための資金調達に努めています。

また、エンチャイルドは支援だけでなく、共助の考え方を持てる人々の輪を広げていくための社会教育プログラムにも力を入れていきたいと考えています。

夢が志に昇華し、夢と志が一致するのが理想

最後に、大学生や若者に向けて一言お願いいたします。

「青年よ、夢と志を持って生きよ!」

ですね。夢は個人次元のものであることも多いのですが、それがより大きな次元に向かうと志になります。まずは夢を持てる個人になろう。その次の段階で他者のため、社会のために生きようという志を持つ個人になろうということです。

夢が志に昇華し、夢と志が一致するのが理想です。個人として精神的、社会的に自立し、さらに社会のため、世界のために貢献できる人になってほしいと思います。

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この記事を書いた人

Miki.S
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